天皇の本質は何よりも「祭り」をすることにある。
それは、大王と呼ばれた豪族の長の時代から、豪族たちの連合政権である大和朝廷、そして律令国家としての天皇親政、摂関政治を経て、近代の立憲君主、戦後の象徴天皇に至るまで、一貫して不変である。天皇が祭祀王というのはそのような意味である。
政治が「まつりごと」といわれるように、かつて神にお祭りをすることと、政治を行うこととは同じことであり、天皇制度は祭政一致の制度として成立した。
二~三世紀の日本には、卑弥呼のようなシャーマンの坐王(ふおう)が多くいたが、古代王権における天皇は、坐王から遠ざかり、祭祀王の性格を確立していた。なぜなら、坐王は強い霊感を持った女性である場合が多く、個人的資質が重要なため、王権の継続は難しい。
それに対して、儀礼の執行者である祭祀王は、特別な才能が求められることはなく、何より血統によるカリスマで、安定した王朝と権力の継承を実現することができる。天皇が早期に祭祀王としての権威・制度を確立したことが、以後の安定した政権につながったのである。
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