2008年3月28日金曜日

第三十四回 -大日本帝国憲法-

1889年(明治22年)2月11日、「大日本帝国憲法」、いわゆる明治憲法が公布され、国民に発表された。

この憲法は天皇が黒田清隆首相に手渡すという欽定憲法の形で発布され、日本は東アジアではじめて近代憲法を有する立憲君主国家となった。

憲法の第1章は天皇について定められている。


大日本帝国憲法

第1章 天皇

第1条 大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス

第2条 皇位ハ皇室典範ノ定ムル所ニ依リ皇男子孫之ヲ継承ス

第3条 天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス

第4条 天皇ハ国ノ元首ニシテ統治権ヲ総攬シ此ノ憲法ノ条規ニ依リ之ヲ行フ

第5条 天皇ハ帝国議会ノ協賛ヲ以テ立法権ヲ行フ

第6条 天皇ハ法律ヲ裁可シ其ノ公布及執行ヲ命ス

第7条 天皇ハ帝国議会ヲ召集シ其ノ開会閉会停会及衆議院ノ解散ヲ命ス

第8条 天皇ハ公共ノ安全ヲ保持シ又ハ其ノ災厄ヲ避クル為緊急ノ必要ニ由リ帝国議会閉会ノ場合ニ於テ法律ニ代ルヘキ勅令ヲ発ス 此ノ勅令ハ次ノ会期ニ於テ帝国議会ニ提出スヘシ若議会ニ於テ承諾セサルトキハ政府ハ将来ニ向テ其ノ効力ヲ失フコトヲ公布スヘシ

第9条 天皇ハ法律ヲ執行スル為ニ又ハ公共ノ安寧秩序ヲ保持シ及臣民ノ幸福ヲ増進スル為ニ必要ナル命令ヲ発シ又ハ発セシム但シ命令ヲ以テ法律ヲ変更スルコトヲ得ス

第10条 天皇ハ行政各部ノ官制及文武官ノ俸給ヲ定メ及文武官ヲ任免ス但シ此ノ憲法又ハ他ノ法律ニ特例ヲ掲ケタルモノハ各々其ノ条項ニ依ル

第11条 天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス

第12条 天皇ハ陸海軍ノ編制及常備兵額ヲ定ム

第13条 天皇ハ戦ヲ宣シ和ヲ講シ及諸般ノ条約ヲ締結ス

第14条 天皇ハ戒厳ヲ宣告ス 戒厳ノ要件及効力ハ法律ヲ以テ之ヲ定ム

第15条 天皇ハ爵位勲章及其ノ他ノ栄典ヲ授与ス

第16条 天皇ハ大赦特赦減刑及復権ヲ命ス

第17条 摂政ヲ置クハ皇室典範ノ定ムル所ニ依ル 摂政ハ天皇ノ名ニ於テ大権ヲ行フ


これらのうちで、特に重要なのは、

まず、第1条 大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス
大日本帝国を統治するのは「万世一系」の天皇である、と日本が君主国家であることが宣言されている。

次に、第2条 皇位ハ皇室典範ノ定ムル所ニ依リ皇男子孫之ヲ継承ス
「万世一系」の由縁でもあるが、皇位継承が男系の世襲によることが定められている。

第3条 天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス
天皇は「神聖なお方」であり、決して侵してはならない、何ものも天皇に逆らってはならない、ということである。

第11条 天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス
天皇は陸海軍を統帥する。これがのちに「統帥権干犯問題」を引き起こすことになる条文である。この「統帥権干犯問題」について次回以降で述べよう。

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