2008年3月19日水曜日

第十九回 -アニミズム-

イギリスの人類学者タイラー(1832~1917)は、世界の原始宗教を研究し、はじめて「アニミズム」という信仰の体系を明らかにした。
動物・植物・自然物・自然現象にわたって、それぞれに宿り、それを生かしている精霊があり、その精霊は超人的存在で人間には見ることが出来ないけれども、それは物を離れて独自に動き回る実体で、人間同様、喜怒哀楽の心意を持つといわれている。

そうした信仰をアニミズムというとすれば、古代のカミの持つ性格、①カミは極めてたくさんのものについて存在している、②カミの姿・形は見えない、③カミは依り代となるものを離れて存在することが出来る、という日本のカミの性格は、アニミズム的信仰が日本のカミ信仰の基礎としてあったことを示すものである。

これは日本人のカミの意識の根底にあって、今日まで尾を引いている。「鰯の頭も信心から(鰯の頭のようなものも信仰心があるものには、尊いものと思われるという俗諺)」といわれるのも、その由来はここにある。これはキリスト教のGod、イスラム教のアラー、またギリシャ神話の神々と日本のカミとの根本的な相違である。

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